野尻泰煌:前兆はむしろ


口伝


良い運びの流れは思いの外、眉をしかめるようなことが出発点だったりする。
逆も真なりで、悪い流れの起点は良い部分からくることが言える。
だから、周囲が小躍りするような事態に陥ったら身を引き締めないと飲まれるよ。

野尻泰煌



背景


野尻は明治の人間や道具に幼き頃より興味をもち、
結果的に造詣が深くなったようです。
また、書家として歩む過程で文字を中心とした諸外国の歴史学問から学び取り、かようなことを感じとったと言います。

降って湧いたような良い出来事は、
長きにわたる圧倒的不幸の連鎖の前兆だったりする。
逆に、辛く長く地味な繰り返しの歩みは、
思いがけない良い流れの前触れであることが多いと語りました。

視点


周囲や世間が不用意に浮き足立ちだしたら、
危機的状況の前兆と身を引き締め、
内政に興じ足元を固めることを怠ってはいけないと伺えます。

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